「忘れてしまったこと」が今の自分を形作る

たった今僕たちは生きていて、だからこの文章を書いたり読んだりできるわけですが、今に至るまでの全ての時間を覚えているわけではなく、むしろ「今この瞬間の出来事」もたくさん忘れていってしまいます。

今日までのことを100としたら、覚えていることなんて多分1にも満たないと思うけど、それでも僕らは過去に何かしらを経験していて何かしらを感じてきました。

「これまでの経験が今の自分を作っている」とはよく言うし本当にそうなのだろうけど、もう少し厳密に言えば「過去の忘れてしまった経験も含めて今の自分を作っている」というほうが合っているのかもしれないです。

いやでも「忘れてしまった」のであれば、今の自分にとっては何も関係がないのではないか、という気もしてきます。忘れるくらいなのだから、さほど重要ではなかったとも言える。とまぁ色々な見方もできますし個人差はかなりあるところだと思います。

ただ僕が強く思っているのは、むしろ「忘れてしまったこと」の方が実は自分にとって影響を与えている部分が大きいのではないかということです。

なぜなら、例えばもしあなたが「自己肯定感が低い」という悩みをもっていたとして、その理由となる出来事をすべてを覚えているかというと、そうでもないと思うんです。

もちろん「昔親から酷いことを言われて悲しかった」とか「部活の先生に他の生徒と比較されて悔しかった」とか印象的な出来事は覚えていると思いますが。

「自己肯定感が低い」という悩みを作り出しているのは、たったそれだけのことではないはずで、日常のとある会話やほんの一瞬の出来事の中でも、その要因になり得るわけですよね。日々僕たちの心は何かしらに反応して生きているので。

これはあくまで一例ですが、やっぱり「今の自分」を形成しているのって「忘れてしまったこと」が大半を占めている気がしてならないのです。

だから僕たちは、自分の中に残っている記憶や経験だけで、自分自身を規定しないように心得ていたほうが良さそうだなって思っています。

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